近年、デザイン系の学生は自分の学生時代の成果や作品をポートフォリオという形でまとめ、紹介するケースが増えています。そんな、ポートフォリオ作りに役に立つ基礎の情報をまとめていきたいと思います。

ポートフォリオとは?
まず、ポートフォリオとはなにか一言でいうと、
「喋ることのできない自分の分身」
だと思ってください。ほとんどが紙面になるのでもちろん喋ることはできません。
しかし、紙面でも多くのことを語ることはできます。そんな自分を無言で語ることのできるポートフォリオを作成するために必要な要素をデザイン系企業のリクルーターをしている筆者が簡単にまとめました。
作成段階に入ったらこちらもご覧ください。
作成の前にできること!
「引き出しをつくっておく」
Ex.美術館に行く。ピンタレストで画像検索してみる。ポートフォリオ紹介サイトを見てみる。など…
自分の作品をどのように紹介するか。まずはやりたいことから考えてみるのもいいですし、第一に作っていて楽しいと思えるポートフォリオとは何か考えて見ましょう。
「先輩に聞いてみる、実際に見せてもらう」
Ex.学校の先輩、OBOGなど…
先輩の成功はもちろん、失敗を聞いておくことで自分がもし同じ境遇に合ったら、どのように対応すればいいか見えてくるはずです。
「自分の分析、ストロングポイントを考える」
Ex.スケッチなどの手書き、PCを使ったデジタルの技術、企画力、造形力、見せ方、量、プレゼン力など…
学生の中で勘違いしている人がいますが、面接官は全てが完璧な人材を欲している訳ではありません。当たり前ですが、全て完璧な人はいません。
自分の強みで勝負し、ストロングポイントを理解しましょう。そうすれば自然に形式が決まってくるはずです。
「作品をイメージする」
Ex.イメージ力、余裕があればモックアップ作成など…
最後、完成形をイメージしましょう。
「人間が想像できることは、人間が必ず実現」できます。
フランスの作家、ジュール・ヴェルヌの有名な言葉です。
作成段階!
「作品を見せる順番を考える」
Ex.見せたい順、成長過程、やっていることで分類など…
作成順=成長過程になるので、一番分かりやすいのは、作成順だと思いますが、一番はプレゼンしやすい順番がいいと思います。
「完成した作品として仕上げる」
Ex.書き込み密度、色、見せ方など…
作成前にできることにもなりますが、作品の質を上げておくのは重要です。
建築系であれば図面をしっかり仕上げるなどが必要です。設計事務所でも、ゼネコンでも図面を書く力、読む力は必ず必要です。
「作品の分かりやすい結果や肩書きを記載する」
Ex.コンペやコンクールの受賞、学校課題の評価など…
いい作品を一目で更に短時間で読み手に分かってもらうためには、どのような方にどのような評価を受けたかはっきりと記載しておくことです。遠慮はせずに記載しましょう。
「作品の紹介だけでなく、自分自身の紹介も」
Ex.自己紹介ページを充実させる、作品から見える自分、共同作品などでの自分の役割など…
就活に関して言うと、前提として「人」を選ぶものなので、自分がどんな人間なのかを作品を通して伝える必要があります。
企業によっては、どんな作品かよりもどんな人かを覚えてもらった方が印象に残り有利になるかもしれません。
「記憶に残らせる仕掛けを考える」
Ex.ポートフォリオのデザイン、大胆な作品、びっくりするような経歴、習い事など…
何十人何百人といるライバルの中で差をつけるには、相当な実力か運がなければなりません。簡単に勝てるようにいい方向に特別な印象を付け、有利に動きましょう。
作成したら必ず行うこと!
「5分、10分など時間を決めてプレゼンする」
Ex.まずは一人で、ぬいぐるみに向かってなど…
ポートフォリオを作成して、安心してはいけません。本当に重要なのはこの作業です。
プレゼン練習をすることで、必要な絵がなかったり、ダイアグラムがないことに気づく人が多くいます。
また、この文字はもっと大きくした方がプレゼンの時に読みやすいなど必要な情報が見えてきます。
追記をしてまたプレゼン、また追記を繰り返せばポートフォリオはどんどんよくなり、プレゼン力も上がっていきます。
私自身もプレゼンはあまり得意ではないですが、これを繰り返して自信が付き面接で緊張せずに発表することができました。
「誰かに見てもらう」
Ex.友達、先輩、後輩、先生など…
純粋にゼロから伝えることができるので、できればあなたのことを知らない人が一番いいです。
ただ、初対面の人に聞いてもらうという機会はまず作れないので身近なひとでも良いので聞いてもらいましょう。
「時代を考える」
Ex.WEB面接に対応可能なもの、複製して実物を送付できる手軽さなど…
コロナウイルスもあり、どのような面接形式で行われるか分からないため、ポートフォリオもデータで紹介できるものや実物を面接会場に送ることができる手軽さが求められるかもしれません。
難しい時代ですが、臨機応変に対応できる力も企業は見ていると思います。
最後に
いかがでしたか。
ポートフォリオ作成は数日でできる簡単な作業ではありません。計画を立てて、どんな形で作成するか、よくイメージしてから作りましょう。
あなたの学生時代の全ての作品をまとめるいい機会だと思えば少し楽しくなるかもしれません。
一度作れば10年後、20年後に思い出として見返すことのできるあなただけの作品集になります。
楽しく作りましょう。
ご覧いただきありがとうございました。