東京都に建つ実際に私の行った有名な美術館の建築を紹介します。
美術館は定期的に展示が変わるので、何度行っても楽しむことができとてもおすすめです。
また、時間が空いた時に一人でも友達とでも足を運べるので、この記事を参考に行ってみてください。
■美術館建築紹介! -museum-
東京には様々な魅力的な美術館建築があります。
美術館建築は、全てがそうではありませんが、資金も豊富で美しい空間も多いので、建築を見るのが楽しくなります。
中には企画展で建築関連のものもあるので建築だけでなく、展示にも注目して、是非足を運んでみて下さい。
国立新美術館
設計:黒川紀章 日本設計
構造:鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造
竣工:2006年5月
○概要
この建物の特徴は、写真にもあるように、南壁面の幻想的な波打つガラス壁とそれを覆う緑色のルーバーです。
中に入ると圧倒的な吹き抜け空間に逆円錐型の象徴的なレストランが目に飛び込みます。カフェやミュージアムショップもこの吹き抜け空間にあります。
私は、展示を見て疲れた時に利用しましたが、料理も美味しく、ゆっくり休憩もできるのでおすすめです。
独立行政法人国立美術館に所属している美術館のなかでも、唯一コレクションを持たない美術館とされていますが、展示スペースは国内で見ても最大級で、休日はもちろん平日でも多くの人々で賑わっています。
人気な企画展も多く開催され、場合によってはチケット売り場が行列になることもあるので時間選びは気をつけてください。

○住所・地図
〒106-8558 東京都港区六本木7丁目22−2
21_21 DESIGN SIGHT
設計:安藤忠雄 日建設計
構造:鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造
竣工:2007年2月
○概要
21_21 DESIGN SIGHTは、六本木の東京ミッドタウンガーデン内にある、デザインを通じて様々なことについて考え、世界へ発信・提案を行う場です。
21_21 DESIGN SIGHTはデザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信し、提案を行う場です。デザイナーをはじめ、エンジニアや職人、企業、一般ユーザーなど、あらゆる人々が参加し、デザインについての理解と関心を育てていくことを目指しています。
http://www.2121designsight.jp/designsight/
21_21 DESIGN SIGHTでは「日常」をテーマにした展覧会を中心に、トークやワークショップなど多角的なプログラムを通じて、訪れる人がデザインの楽しさに触れ、新鮮な驚きに満ちた体験をすることができます。これらの展覧会のディレクターの多くをデザイナーが務めているのも特徴です。
デザインは生活を楽しく、豊かにし、思考や行動の可能性を広げてくれます。目に見える部分だけでなく人とモノ、人と人との関係性もつくっていきます。21_21 DESIGN SIGHTは文化としてのデザインの未来を発見し、つくっていく拠点なのです。
上記、21_21 DESIGN SIGHT HPに記載の通り、建築家の安藤忠雄さんのみならず、ファッションやプロダクトなど様々なデザイナーがこの美術館に関わっています。
建物は、「一枚の布から建築を作る」という世界的に有名なファッションデザイナーの三宅一生さんの服飾のコンセプトからイメージを得ており、建物としては「一枚の鉄板」屋根として形に表しています。
展示は、老若男女多くの層から人気で、○○展といったキャッチーなネーミングの展示が多く、休日では建物の外に行列ができるほど人気な美術館になっています。
私は、展示が変わるごとほぼ毎回訪れ、展示と合わせて安藤忠雄氏のコンクリート打放しの美しさを空間として楽しんでいます。
ちなみに、美術館の読み方は「ニーイチ」でも「トゥウェンティー」でもなく、「トゥーワン_トゥーワン デザインサイト」と言います。
○住所・地図
〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7−6 東京ミッドタウン・ガーデン内
サントリー美術館
設計:隈研吾
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造、鉄筋コンクリート造
竣工:2007年3月
○概要
めざしたのは「都市の居間」としての居心地の良い美術館です。日本の伝統と現代を融合させた「和のモダン」を基調に、安らぎと優しさに溢れた空間を実現。外観は白磁のルーバー(縦格子)に覆われ、透明感すら感じさせます。館内には、木と和紙を意匠に用い、和の素材ならではの自然のぬくもりと、柔らかい光を表現しています。また、館内の随所で床材にウイスキーの樽材を再生利用しています。
https://www.suntory.co.jp/sma/basicinfo/concept.html
上記にあるように、隈研吾氏と言えばルーバーに覆われた外観デザインです。
内部は、日本らしさを感じる和な空間が広がる美術館であり、展示からも日本画・水墨画などの日本らしさを発信してる場所になっています。
同じ建物内(ミッドタウン)のカフェでも抹茶やあんみつなどの和菓子を味わうことができ、コンセプトの一貫性を感じることがます。
展示を見た後休憩場所として最適なので利用して見てください。
○住所・地図
〒107-8643 東京都港区赤坂9丁目7−4 東京ミッドタウン ガーデンサイド
根津美術館
設計:隈研吾
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄骨造
竣工:2009年10月(新展示棟)
○概要
2009年に新創された和風家屋を思わせる大屋根が印象的な本館は、現代日本を代表する建築家隈研吾氏の設計によるもので、地上2階・地下1階の構造です。館内はそれまでの約2倍、延べ床面積約4000㎡で、エントランスからホール、そしてそれに続くスペースには、特別展用のギャラリーのみならず、多岐にわたる当館の所蔵品をご覧いただくために、絵画・書蹟、青銅器、茶の湯の美術などそれぞれの特性に合わせた、趣の異なる6つのギャラリーが設けられています。落ち着いたイメージの中、多彩な展示をお楽しみいただける空間となりました。
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/about/info.html
青山のブランド建築に負けないほどの大屋根の印象的なモダン和風建築です。
サントリー美術館と展示の系統は似ていますが、青山という立地や建物の規模が異なるため印象は全く違います。
青山には、たくさんのショッピングスポットもあるので、根津美術館と合わせてお買い物もできたら楽しいですね。
○住所・地図
〒107-0062 東京都港区南青山6丁目5−1
すみだ北斎美術館

設計:妹島和世
構造:鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造
竣工:2016年4月
○概要
訪れる人が気軽に立ち寄ることができる、公園や地域と一体となった美術館です。大きな1棟ではなく、スリッ トによりゆるやかに分割された外観とすることで、周辺の下町市街地のスケールとの調和を図っています。
https://hokusai-museum.jp/modules/Page/pages/view/605
建物全体をゆるやかに分割するスリットは、地上階部分ではアプローチの空間となっており、外部通路で結ばれています。建物全体に「裏」をつくらず、周辺地域のどこからでもアクセスすることができます。
浮世絵作品の保存展示を考慮し、建物全体として閉じながらも、スリット部分からは館内の様子が伺え、地域の人々にとってすみだ北斎美術館が身近に感じられるものとなります。また、館内からも公園や周辺地域を眺めることができ、最上階からは東京スカイツリー®といった墨田の特色を眺めることができます。
建物外壁は、淡い鏡面のアルミパネルを使用しています。建物外壁にやわらかく下町の風景が映り込み、周辺地域の風景に溶け込みます。また、ゆるやかに変化するヴォリュー ム は風景の映り込みをゆるやかに変化させ、見る角度によって表情の変化する外観となります。
こちらの建築はなんと言っても、外壁のアルミパネルの存在感です。
墨田区は下町の雰囲気を感じさせる街でもありますが、私個人的には街のコンテクストを生かした非常に好きな建築の一つです。
建物の前面は公園になっていて、おじいちゃんおばあちゃんがお子さんを連れて一緒に美術館を見たり、公園で遊んだりしていました。
休日には、老若男女楽しめるスポットになっています。
○住所・地図
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7−2
国立西洋美術館
設計:ル・コルビュジエ・前川國男
構造:鉄筋コンクリート造
竣工:1959年3月(本館) 1979年5月(新館) 1997年12月(企画展示館)
○概要
戦後、日仏間の国交回復・関係改善の象徴として、20世紀を代表する建築家のひとりであるフランス人建築家ル・コルビュジエ(1887-1965)の設計により、1959(昭和34)年3月に竣工した歴史的建造物である。1998(平成10)年に地域に根ざした優れた公共施設として建設省より「公共建築百選」に選定され、2007(平成19)年には国の重要文化財(建造物)に指定された。
https://www.nmwa.go.jp/jp/about/building.html
コルビュジェが日本に残した唯一の建築作品になります。2007年に国の重要文化財として世界遺産に登録されました。
コルビュジェは「成長する美術館」というコンセプトで西洋美術館を設計し、螺旋状のピラミッド、平面的に四角い渦巻き状の展示空間として、時代と共に形を変えながら実現されています。
建物も当時のままなので、美術館へ訪れると、タイムスリップしたかのような時代の流れを感じられます。
「こんなにも古い建築が建っていて大丈夫なのか」と少し不安になるかもしれませんが、現在では「免震レトロフィット工法」という免震装置を設置することで、安全性を確保しながら、当時の形を残すことができています。
建物のエントランス部分には地面にクリアランスがあり、そこで免震装置の存在を確認することができます。
免震装置を取り入れたきっかけとなった出来事は、阪神淡路大震災です。
耐震工事を行って建物の強度を上げる方法もあるのですが、見栄えが変わってしまうという大きな欠点もあり、免震化することになりました。
西洋美術館の前には、コルビュジェの弟子が手がけた「東京文化会館」が建っています。コルビュジェイズムを感じる建築西洋美術館とうまく調和した建築になっています。
2019年2~5月には、西洋美術館開館60周年を記念して「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」というコルビュジェの企画展が行われていました。
○住所・地図
〒110-0007 東京都台東区上野公園7−7
東京都美術館
設計:前川國男
構造:コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造
竣工:1975年9月
○概要
日本のモダニズム建築の巨匠・前川國男は、公共建築の設計では、広場やロビー、レストランを重視しています。その場を訪れる人がどれだけ都市的な楽しみを味わえるかに力を注ぎ、建築を通して都市の空間を生み出していったのです。
https://www.tobikan.jp/outline/architecture2.html
前川國男氏設計による美術館です。西洋美術館とも距離が近く、その距離は、わずか400mほどなので徒歩で一緒に回ることができます。
こちらの美術館は、絵画の展示が多く全体的に落ち着いた雰囲気があります。
ゆったりと落ち着いた休日を過ごしたい時に行ってみるのがいいと思います。
○住所・地図
〒110-0007 東京都台東区上野公園8−36
最後に
東京都には数多くの有名建築による美術館が多く存在します。
美術品を見ながら回ると1日に何カ所も行けないと思うので、私は何日かに分けてのんびりと巡ることが多いです。
2回目・3回目でも展示が異なることで空間の見え方も変わってくるのが美術館の楽しみだと思うので、「建築」だけや「展示」だけでなく、「建築空間+展示」で見ることをおすすめしたいと思います。
六本木など、エリアによって美術館が固まっている所もあるので、地方から来られた方などは、スケジュールを立てて効率よく回ることをオススメします。
ご覧いただきありがとうございました。
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